【質 問】 試用販売がよく分かりません。 【回 答】 特殊商品売買は商簿の中でも、会社会計と並んで 覚えることが多いところです。 まず、前提として何が「特殊」なのかを考えてみましょう。 商品を販売すること自体は変わらないのに、どこが 特殊なのかというと 「収益(売上)の認識基準」が特殊なのですね。 いつ売上を仕訳するかが特殊ということです。 「特殊」に対して、「一般」はどうかというと 3級で学習してきたように、 商品の注文を受けて、その商品を渡した(発送した)時点で (  )××/売上×× という仕訳を行い、収益計上します。 それを収益を認識したというわけです。 このように、商品を引き渡したときに収益を認識する基準を 販売基準といいます。 基本的にはこの方法で仕訳します。 だから、注文を受けて代金の一部を受取っても、まだ商品の 引渡しが済んでいなかったら売上にはならないですね。 現金××/前受金×× というように負債(前受金)にしました。 販売基準だからです。 それに対して、特殊商品売買は収益を認識するタイミングが 違うのです。 例えば、試用販売では、 相手が試してみて気に入ったら売れるし、気に入らなかったら 返品されてくるわけですから、「試用販売のために商品を発送した」 という時点では売上にはならないですね。 販売基準だったら商品を発送すれば「売上」になるはずですが 試用販売の場合はそうはいきません。 しかし、商品を発送したら事実上手許商品が減少しているのですから 何らかの仕訳をしておかなければいけないですよね。 そこで二通りの方法が考えられているのです。 @手許商品と区別する方法   三分法で仕訳しているという前提で考えますが、   手許商品は、仕入れたときに 仕入××/(  )×× という   仕訳をしていますから、発送した商品は帳簿上は仕入勘定に   含まれていたはずなので、   仕入を減らして、試用品(資産)という科目に振替えておくわけです。   試用品××/仕入×× ですね。 A対照勘定法   上の仕訳方法は、仕入原価で仕訳する必要があります。   そうしないと仕入勘定が合わなくなるからですね。   いちいち原価を調べるのがメンドウだったりすると   売価で仕訳した方が便利です。   しかし、売価で貸方仕入とは出来ませんから、特別にメモ的な   一組みの仕訳をやっておくのです。   試用販売売掛金××/試用販売××   この仕訳は、あくまでもメモですから実際に資産が増えたり   収益が発生したわけではないですね。   このときの借方貸方の科目を対照勘定といいます。   つまり、まだ売れたわけではないけれども、試用中の商品が   それだけあるということを表しているわけです。 @もAも、商品を発送した事実を記録しているわけですが、 試用販売では、その後、相手先から買取の意志表示があるはずです。 (または買い取らない意志表示ですが) そのときに、収益(売上)を認識します。 売掛金××/試用売上×× ですね。 で、最初に@の方法で仕訳していたら 売掛金××/試用売上××  仕入××/試用品×× というように、@の仕訳を取り消しす仕訳も追加しておきます。 また、Aの方法で仕訳していたら 売掛金××/試用売上××  試用販売××/試用販売売掛金×× というように、Aの仕訳を取り消しす仕訳も追加しておきます。 また、買い取らないといわれたときも同じように 取り消す仕訳だけはやっておかなければいけません。