【質 問】 営業権はなぜ償却するんですか? どういう意味合いなのでしょうか。 【回 答】 まず、営業権の特徴を考えてみます。 (1)営業権とは何か 企業を有償で譲り受ける場合、買い手はその企業の   資産総額から負債総額を引いた純資産額を超える   代価を支払うことがあります。   なぜ、純資産額よりも高く買うのかというと、   1.立地条件が良い。   2.良い人材がある。   3.社会的に信頼されているブランドである。   4.取引先と特殊な有利な関係がある。   などの好条件を見こんでいる場合です。   これらを見こんで純資産額を超える金額で買収した   場合の、その超える部分を営業権といいます。   のれんともいいます。 (2)営業権は価値が減少するか   <現状の考え方>   有償取得による営業権は、将来の超過収益力(他社より   優れた収益力)を獲得するためのものだから、計画的に   適当な期間に配分するべきである。   したがって、残存価額はゼロにします。   価値が減少するからというよりも、費用として配分してしまうべき   だからということです。   制度的に5年以内に均等額以上の償却を行うことと   定められています。   ※営業権の無償取得は出来ません。   分かりやすく言えば、自分の会社は有名になったから   ブランド力を見積もって営業権を計上して、それを償却して   経費を増やそう、などということはダメってことデス。   それを自己創設のれんといいます。   <その他の意見>   営業権の償却についてはいろんな意見があって、   1.要償却説     超過収益力は永続的に維持することは不可能であり、     もし、維持されるとしてもそれは過去の買入によるのれん     ではなくて、その後の企業努力によって生み出されたものと     考えるべきである。     したがって、もしも償却しなかったら自己創設のれんを     認めることになるから適当な期間内に償却しなければ     ならない。   2.非償却説     広告宣伝費や試験研究費などは、のれんを維持するために     支出するもので、その上にのれんを償却すると、二重に     費用を認めることになるから償却はするべきではない。   3.再評価説     のれんは、毎決算期に評価をやりなおして、価値が     減少した分だけは償却するべきだ。   4.利益の大小によって償却する     利益が大きいということは超過収益力があるということなので     のれんは価値が減少しない。     利益が小さければ、のれんの価値が落ちたということなので     それに比例して償却する。 ようするに、いろんな考え方が可能だってことです。 しかし、現状は先に書いたような考え方で、5年償却をしようと 強制しているわけです。 いま学習している他の論点もそうなんですが、これから先に社会環境の 変化によって、会計処理の考え方も変わってくるかもしれません。 そう考えると、ちょっと面白いと思いませんか?