【続・簿記入門について】  先日は、お忙しい中を初歩的な質問に対して懇切丁寧なご回答をいただき、  ありがとうございました。大変勉強になりました。  ただ、ご回答をいただいた項目の中で、どうしてもまだ理解できない事柄があります。  といいますのは、   第9章 仕訳についての中の「仕訳のルール」について、     「資本の増加」を「貸方」に書く  というのが、どうしても納得できません。  第4章 資産負債資本の分類の中で、「資本」というのは「正味の財産」と解説されています。  「正味の財産」が増加するのに「貸方」に記入するという考え方が理解できません。  先日の質問の最後の項目でご回答いただいた事柄(借入金の例)については、よくわかります。  しかし、「資本も同じでーー」と書かれていますが、どのように同じなのでしょうか。  あまり深く考えないで、ルールとして考えるべきでしょうか。 【質問の回答】  今回は回答が早いでしょ?  実は、ヒマなんです。(←オイオイ)  資本は、正味の財産ですが、目に見える意味での財産ではありません。  例えば、貯金(資産)が100万円あって、ローン(負債)が80万円  あったとすると、正味の財産は20万円です。この20万円が資本です。  つまり資本というのは、資産と負債の差額にすぎません。        資産−負債=資本(資本等式)  という関係ですが、この等式を変形すると        資産=負債+資本(貸借対照表等式)  になりますね。これを言いかえると        総資本=他人資本+自己資本  とも言えます。平たく言うと、他人資本は借金、自己資本は元手(自分が出した分)  ということです。  つまり資本というのは、目に見えるものではなく概念的な  ものです。その意味で負債と同様だということです。  例えば、事業を開始するに当たり、元手として現金100万円を用意したとします。  これを、簿記上はどの様に考えるかというと、事業にとって、  「現金(資産)が増えた」と同時に「資本金(資本)が増えた」とします。  仕訳は、(借方)現金100万円/(貸方)資本金100万円 として、  資本の増加を貸方にするわけです。資産の増加と資本の増加ですね。  借金をして、(借方)現金××/(貸方)借入金×× とするのと良く似ていると思いませんか?  ですから、資本金というのはよく会社の規模を表す言葉として  使われていますが、「資本金」というものがどこかにあるわけではありません。  会社の自己資本である資本金の金額が、色々な形の資産として運用されている  ということになります。  理解してもらえたでしょうか?  資本に関する考え方は、深く突き詰めていくと面白いところです。  学説も様々で、会計学の大きなテーマの一つです。  また、簿記学習を始めたときに多くの方が疑問に感じるところだと  思います。(わたしもそうでした)